スワップ口座を選ぶ時は瞬間的な価格ではなく平均値が重要




トルコリラ円、メキシコペソ円、南アランド円、豪ドル円、NZドル円といった高金利通貨ペアのスワップ運用を始める際には、もちろん一番スワップポイントが良い口座で運用したいですよね。この記事では、スワップ口座選びのポイントを解説します。

1日だけのスワップを見ても無意味

スワップポイント運用を成功させるために大切なことはとてもシンプル。受取スワップが多い通貨ペアのポジション(クロス円の場合は買い)をできるだけ長く保有すること。これだけです。

ここで大切なのは、受取スワップの判断方法です。運用を始めようと思い立った日のスワップポイントだけで判断してはいけません。できるだけ長期的なスワップポイントで判断するべきです。

例えばこのグラフは、2018年4月30日時点でのトルコリラ円のスワップポイントです。ピンクのトレイダーズ証券が突出しており、1万通貨の週間平均で150円を超える、他社を圧倒するスワップポイントとなっています。これだけを見れば、トレイダーズ証券でトルコリラ円の買いポジションを持ちたくなるわけですが、まだ慌ててはいけません。

上のグラフはそれから1週間後、2018年5月6日時点でのトルコリラ円のスワップポイントです。前週に圧倒的な高スワップを記録したトレイダーズ証券のトルコリラ円は、この週には一気に下がっています。なぜなら、前週が破格の高スワップだったのは3倍デー(土日の分とあわせて、一日で3倍のスワップポイントがつく日)が、祝日などの関係で1週間に2回もあったからです。その分、当週では付与日が少なくなっており、その分だけスワップポイントも下がっています。

これは極端な例ですが、スワップポイントを瞬間だけ切り取っても、その口座の実際の実力は分かりません。

結局のところ、スワップ口座の実力を評価するには、長期間の平均スワップでしか判断できないわけです。すでに述べた通り、スワップポイントで稼ぐためには、とにかく長期間ポジションをホールドしなければ行けません。であれば、刹那的なスワップポイントを見るのではなく、その口座が長い期間安定して高スワップポイントを付与しているかどうかを確認する必要があります。だからこそ、このメディアでは、その週のスワップポイントだけでなく、これまでに計測した全期間の平均スワップを載せるようにしています。

なお、週間スワップ比較を見れば、トレイダーズ証券のトルコリラ円は2018年5月時点では一番の高スワップと判断できます。

3倍デーだけ受取スワップを安くする古典的手法

瞬間ではなく、平均スワップを見るメリットはもう一つあります。

こちらはトレイダーズ証券の2018年4月9日~4月13日のスワップポイントです。赤枠で囲んだ部分がトルコリラ円の日ごとのスワップポイントなのですが、注目していただきたいのは青い枠で囲んだ部分。4月11日は3日分の付与があるいわゆる3倍デーですが、他の日が1日分=100円なのに対し、この日は3日分=300円にはなっていません。252円なので、3で割ると1日あたり84円です。

付与が1日分だけの日を見れば、トレイダーズ証券のトルコリラ円の1万通貨の買いスワップは1日あたり100円ですが、3日分の日は1日あたり84円なので、実際の平均スワップは100円を下回ります。

こういった、3倍デーのスワップポイントを減らす手法はいくつかのFX会社が昔から使ってきた手法です。いつもよりたくさんもらえる日なので、どさくさに紛れてスワップポイントを減らしてもあまり気にならない人が多いからでしょう。なお、青で囲んだ日の支払いスワップはきっちり他の日と同じの1日あたり150円になっている点もポイントです。

スワップポイントを瞬間風速ではなく、平均値で判断することで、こういったカラクリを見抜くこともできます。

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